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バルカン (惑星) : ウィキペディア日本語版
バルカン (惑星)
バルカン(英語:Vulcan)は、19世紀に水星の更に内側軌道を公転しているとされた想定上の惑星である。水星の近日点移動を解決できるものとして、その存在が考えられたが確認されず、現在では存在しないとされる。
== 概説 ==

=== 水星近日点移動 ===
19世紀当時は、天文学界は外惑星の軌道の摂動から海王星の存在を予言することに成功したところであり、水星軌道の近日点移動問題も同様に解決できるのではないかと考えられた。1846年に天王星などの軌道の摂動から海王星の位置を予測した〔それをもとにヨハン・ガレが海王星を発見している〕パリ理工科大学の天文学講師ユルバン・ルヴェリエは、1859年にバルカンの存在を提唱した。
早くもその年のうちにアマチュア天文学者のエドモン・モデスト・レスカルボーがバルカンを発見したと報告し、翌年ナポレオン3世からレジオンドヌール勲章を授与された〔ジョン・W・モファット「重力の再発見」早川書房〕。しかしこれは再現性のある観測ではなかった。
その後、望遠鏡の精度の向上と、サングラス・フィルターを使用しての太陽光球面の実視観測において存在を示唆する観測結果が報告されたが、決定的で再現性ある報告はなくバルカンの存在は否定的に考えられるようになる。
20世紀に入り、水星の近日点移動は、アインシュタイン一般相対性理論によって解決可能であることが示唆され、歴史的な日蝕観測を通じて、一般相対性理論の妥当性が検証されると共に、この問題も、仮説の惑星バルカンの摂動による説明は主流から外れた。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「バルカン (惑星)」の詳細全文を読む



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